意外な箇所からの雨漏り事例@

全景.jpgこの建物は築15年の建物です。築13年を越えたあたりから雨漏りが始まり出し、部分的な補修工事を何度か地元の工務店に依頼して行っていたとの事でした。しかし雨漏りが完全に直らず困り果てていたところ、我々が相談を受けた現場でした。

屋上にあがって、補修工事の仕事を確認したところ丁寧に仕上げられていて問題はありませんでした。

 補修.jpg

手前に白く見える箇所が補修跡です。この屋根はアスファルト防水熱工法で新築時に施工されていました。補修工事は、同じアスファルト系のトーチ工法といわれる材料で漏水が生じている一帯を貼り付けて行われていました。白く見えるのは防水層の上に紫外線劣化防止用の塗料が塗られている為です。(※写真の中のパラペットとは屋上のいちばん端の突起箇所をいいます。)

 

 

アゴ下.jpgなかなか不具合箇所が見つからないまま調査を続けているとパラペットの下に水切り目地(下の絵を参照して下さい)が施されていないことが分かりました。(パラペットを下から見た写真)

左斜め上これがパラペットです。

 

左斜め上これは防水層がずれないように押えている金物です。

                    左斜め上これがアスファルト防水です。            

本来.jpg本来パラペットは左の絵の様に雨水がパラペットの裏をつたって回りこまないように水切り目地が設けられていて防水層に接触する前に下に落ちるしくみになっているはずです。しかしこの現場のパラペットには本来あるべき水切り目地がなかった為、長期間にわたって雨水が防水層の端に接触し続け最後には防水層の裏面に雨水が流入していったと考えられます。

 

 

 

 

改善例.jpg

 

補修工事でパラペットに水切り目地を作るのは施工上難しい為、パラペットの先に樹脂テープを取り付け水返しにしました。(さらにパラペットにウレタン塗膜防水を塗布しました。)この補修以後は雨漏りもなくなったということです。雨漏りを補修してもがなかなか直らないと悩んでおられる方は一度チェックしてみて下さい。

 

 

 

意外な箇所からの雨漏り事例A

2.jpg

このルーフバルコニーは大規模改修工事でウレタン塗膜防水複合工法で施工されました。施工してまもなく防水層の下に水が流入し、水枕の様な状態になったそうです。下階に漏水していないことが幸いでしたが、雨水の流入箇所が特定出来なかったことからご相談を頂いた現場です。

 

 

 

パラペット.jpg

防水工事した各箇所を確認してゆきましたが、防水層が破断している様なところや施工不良箇所は特に見当たりませんでした。そこで水膨れの状態になった部分を切開して、中に入った水を全て抜き、乾燥させた状態で各所に散水試験を行い切開した箇所から水が流れ出るかどうか確認してゆきました。

 

 

 

穴あき.jpg

数時間散水を行いましたが、防水層を切開した箇所からは水が全く出てきませんでした。

 

 

 

 

 

 

隙間2.jpg散水を中断し、再度雨水が流入する可能性がある箇所を総点検しました。すると屋上からの雨水配管の奥のパラペット周辺(○で記した箇所)に本来竣工時にモルタルで埋めておかなくてはならない部分が空隙の状態で放置されていることが分かりました。

 

 

 

 

コーナー拡大.jpg

※その拡大写真です。

この隙間に散水を行うと5分もたたず、先程の防水層を切開した箇所から水が流れ始め、ようやく原因が判明しました。

補修工事としてこの空隙をモルタルで埋め、ウレタン塗膜防水メッシュ工法を施工し工事を終えました。